"BLACK SIGN × MORNINGSTAR クロスロード展" Episode 1/8
いつも"BLACK SIGN Main Lodge"をご愛顧いただき誠にありがとうございます。
Main Lodgeにて行ったクロスロード展で作品を提供いただいた、
MORNINGSTAR山田氏「孤高の哲学者」による身の生き様を綴った物語を全8回に渡りご紹介させていただきます。
魂の籠った長文になりますが、是非ご一読ください。
Episode 1/8
クロスロード展という交差天
BLACK SIGN × MORNINGSTAR
クロスロード展
BLACK SIGN 岡本氏の発案により、 この度のクロスロード展を共にした、
MORNINGSTARの山田と申します。
星空を見上げると、ひと際輝き目を奪う巨星。どんな世界にも、そんな大きく遥か遠い存在がいるかと思います。
そんな巨星達は、この世界に何を想い、何故に生きるのか。
それをこの目で観測するのは、MORNINGSTARに秘められた、変わらぬ本懐の一つでした。
そして、アメリカンヴィンテージを基軸に、衣服、革、モーターサイクルと連なりゆく旧き良き世界。そのどの視点から見渡しても、いつも当たり前のようにそこに在った、遠い「月」のような存在。
それが岡本氏に抱いていた印象でした。
誌面上で目にする氏の文は、あらゆる物への造詣の深さは当然ながら、その物の奥を語らんとしている。ただ大きなだけでは無い。そう感じさせてくれる数少ない巨星の一人でした。
MORNINGSTARの作風も同じく旧き良き米国文化圏を軸としながら、どこか侘び寂びが滲む、無骨かつ繊細な和魂洋才の革。
しかし、それは星の「表層」であり、その本質は内なる「核」に根差しています。
表層にも、中層にも、語り得ることは多く在りながら、今回は、まだ口伝以外で公にしたことのない「核」そのものに、静かに焦点を絞る試みです。
始まりは、
何の知識も経験も無い野辺の石ころが、
独学で、看板も掲げず、宣伝の類も、ネット販売も一度たりともすることなく、純粋な口伝の拡がりのみで、今に至ります。
その作為なき過程に、
「星」という概念の「核」があり、
いつか伝える為に始まった「道」が、
MORNINGSTARという物語です。
無常にも、あらゆる物はいずれ消える。
しかし、物語は消えません。
世界とは、社会とは、人とは、魂とは。
死生観の一変から生じた、その哲学めいた仮説を、何も無い自分に出来得る極限の形で確かめるなら、必要だったのは、何も無いままに、本気で零地点から丸腰で命を転がす「覚悟」でした。
何故に、何の為に。
それは、この道に生きた先に、世界の自由性や無限性、そして因果のような様々な本質的な要素が、知識や常識というあらゆる先入観が取り除かれた純粋な形、事実として浮き彫られるのではないか。そう思ったからです。
それらは憶測や議論では届かない景色。
だからこそ、その純潔はロマンであり、作れない美であり、その真価は、後に生まれる石ころ達にとっても深い可能性を遺し得ると。
そして、自分の人生の相棒としたい物は、そんな道に生きた者の、生きた証でもありました。
それは言葉や技術だけではなく、在り方と生き方から生まれた、魂の純粋な形と言える物。
それは人の魂を揺さぶり、受け継がれ、やがて物は消えても、その物語は永遠となる。
この一瞬の命を、永遠の光に変える。
そんな想いが根底にあります。
それは、理路整然と言語化できない気配や感覚も含む為、当時まだ二十代後半だった野辺の石ころの心境と熱量を通し、その起源と軌跡の概要を、物語的に表現し、想像を膨らませながら感じて頂いた方が伝わるかも知れないと。
そしてまだ道半ばではありますが、このクロスロード展を一つの節目として、稚拙ながら此処に初めて記しました。
その物語を辿っていくと、「因果」とは、「月蝕」とは、 様々飛び交う言葉の意味合い、MORNINGSTARの哲学美学、そして岡本氏とクロスロード展の意味合いが、徐々に見えてくるのではないかと。
頭だけで理解しようとすると読み難いかも知れません。感性も同時に開いて、魂に直接伝われば幸いです。
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BLACK SIGN × MORNINGSTAR
クロスロード展
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Episode 1/8 - クロスロード展という交差天
Episode 2/8 - 序文
Episode 3/8 - 特異点
Episode 4/8 - 核
Episode 5/8 - 月蝕と因果の軌道
Episode 6/8 - 星の暗喩
Episode 7/8 - 黒い暗号
Episode 8/8 - 円環の夜明け
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