"BLACK SIGN × MORNINGSTAR クロスロード展" Episode 5/8 (壱)
いつも"BLACK SIGN Main Lodge"をご愛顧いただき誠にありがとうございます。
Main Lodgeにて行ったクロスロード展で作品を提供いただいた、
MORNINGSTAR山田氏「孤高の哲学者」による身の生き様を綴った物語を全8回に渡りご紹介させていただきます。
魂の籠った長文になりますが、是非ご一読ください。
Episode 5/8
月蝕と因果の軌道
(壱)
見上げれば、月がある。
そこから長らく眺望してきた天地に、
何を見るのだろう。
何を是とし、美とするのか。
同じ星が見えるのか。
紙面や人から見聞した表層ではなく、
その内なる「核」を、いつか直接確かめたい。
どうすれば、会えるだろうか。
そんな「作為」を練らずとも、
「星」であるなら、いずれ交わる。
作為を捨てた時、自分という「枠」は外れ、
剥き出しの「核」に「世界」は融合し、
因果の歯車は動き出す。
何も無い真空に遍満する、無形の原子が渦を巻き、やがて核融合を起こし、その内なる光は、凄まじい引力を帯びながら燃え盛り、その表層は大地と固まり、大気が生まれ、雨が降り、緑が、生命が誕生し、全てが循環する、それが「星」。
ただ無垢に、内なる「核」に自転し続け、
時が満ち、「星」が蒼く染まったなら。
その「公転軌道」は、
然るべくして「月」と交わる。
それは「月蝕」の如き、必然の「因果」。
星に「謀」は要らない。
いずれ来たるその時が、
いつ来ても良いように、
ただ内なる「核」を燃やし、
形となるまで在り続けるだけ。
燦然と輝く「星」の如く。
将に将たる「星」の如く。