"BLACK SIGN × MORNINGSTAR クロスロード展" Episode 5/8 (参)
いつも"BLACK SIGN Main Lodge"をご愛顧いただき誠にありがとうございます。
Main Lodgeにて行ったクロスロード展で作品を提供いただいた、
MORNINGSTAR山田氏「孤高の哲学者」による身の生き様を綴った物語を全8回に渡りご紹介させていただきます。
魂の籠った長文になりますが、是非ご一読ください。
Episode 5/8
月蝕と因果の軌道
(参)
「MORNINGSTARとは何か。
それをどんな切り口から語っても、
まず誰もが誤解から入ることになる。
MORNINGSTARと向き合うということは、
自分を問われるということ。」
そして、MORNINGSTARの哲学は、
たった四文字で表す事が出来ると。
「無為自然。
それは哲学を志す者なら誰もが知る王道の哲学。その言葉を知っている者は幾らでもいる。しかし、本当に無為自然に生きた者を、僕は知らない。
無為自然という言葉すら知らずに。」
ただ美学を交え、天地を論じ、
つくりたいものを、
つくりたいものに、
つくるだけ。
革を語るのではなく、
革を通して語る。
物の事を語るのではなく、
物事の、万物の理を。
日々紡がれゆくそんな物語は、芸術、料理、武道、科学、哲学、宗教、アニミズム、あらゆる垣根を超えた探求者達を呼び、深く交わり、そして呼応し、それぞれの明日を、魂に生きる力を生む。
魂を揺さぶるのは、魂だけ。
ただそれだけが巡る、純粋な場。
社会という枠から一見外れようと、「全て」は切っても切り離せず、人と人は然るべくして繋がり、その魂に沿った世界が、何を謀らずも蒸留されていく。
一滴一滴、時と共に滴る純潔の世界は、
語らずも真実を語り、問わずして問う。
そこに、どれほどの「真価」が在ると。
その内奥に、まだ見ぬ可能性を、
自由を、力を、感じないか。
魂一つで、どうとでも在れると。
だとしたら、あなたは、どう在りたいか。
ーーこの世界を。
無為自然。
それは、行わずして成すという自然律。
ただ内なる高潔に在る時、
刀を抜かずとも、斬らずとも、
道の方から拓かれ、星はその理のままに輝き始める。
それは、
何も無い真空に遍満する、無形の元素が渦を巻き、やがて核融合を起こし、それは無限の力で燃え続け、その表層は大地と固まり、大気が生まれ、雨が降り、緑が、生命が誕生し、全てが循環する、46億年の軌跡の如く。
いつしか蒼く染まり、全ての循環が自然と生まれていた状態は、
零地点から体現に捧げ、全てを賭して内より発した「星」の概念そのものだった。
それは、天と地の「星」の合一。
燦然と輝く「星」の如く、
将に将たる「星」の如く、
天と地を、繋ぐ者。
美しいとは、そういう事だと。
ーーそれは命の道標。
それからも、因果の歯車は回り、巡り、物語が紡がれる日々。
「星」で在るなら、それは訪れるはず。
静かに観測し続けてきた因果の背中が、
ここに姿を表した。
「こんな熱い男が居ると、伝えても良いですか。
岡本氏に。」
そして、訪れた「月蝕」の時。
目の前に、「月」がある。
何時この日が来ても良いように、ただ在り続け、研ぎ澄ましてきた
「核」。
次また会えるかは、分からない。
月に借りる大きな胸に、石ころ如きが手加減は無粋。
互いに魂一つで、美学を交え、天地を論じ、同じ星が見えるのか。
ただ真っ直ぐ、丸腰で臨む。
何を是とし美とするのか、何故に生きるのか。
いつしか夜は深まり、日も跨ぎ、時も忘れて、灰となるまで。
そして、月から零れ落ちた言葉。
「心が洗われる。そんな生き方が在るのかと。大切なことは、熱いだけではなく、巧く作られただけではなく、その奥に“Intelligence”が在るかどうか。MORNINGSTARには類を見ないそれが在り、それが形となっている。
僕はそんな物を持ちたい。」
表層の形や数字ではなく、見据える先は「魂」一つ。
確かめたかった月の「核」は、将に将たるそれだった。
それから何度も夜を越えては、灰になるまで語らい、
やがて氏の人生のマイルストーンとする作を託され、形にすることとなった。
それは、零地点から独り定点観測し続けた、
因果の観測者による、因果の観測記。
それは、血が通う孤高の星々の、揺るがざる軌道が描き出した、
現象という、純然たる物語。
ーーーーーー
BLACK SIGN × MORNINGSTAR クロスロード展
ーーーーーー
BLACK SIGN
MORNINGSTAR
ーーーーーー
見えるものしか見えなくなりつつある世界に、
純潔のロマンを。
我々が創った「黒い暗号」を解読するのは、あなたです。
夜が明ける。
世が明ける。