"BLACK SIGN × MORNINGSTAR クロスロード展" Episode 2/8
いつも"BLACK SIGN Main Lodge"をご愛顧いただき誠にありがとうございます。
Main Lodgeにて行ったクロスロード展で作品を提供いただいた、
MORNINGSTAR山田氏「孤高の哲学者」による身の生き様を綴った物語を全8回に渡りご紹介させていただきます。
魂の籠った長文になりますが、是非ご一読ください。
Episode 2/8
序文
MORNINGSTAR
その革は、繊細で、艶やかで、しかし力強く、何処か無骨な、匂いがする。
生まれながらの貴族ではなく、有象無象を生え抜いた、物言わぬ将の、揺るぎなき「意志」のような。
甘いだけを美味としない、甘酸辛苦、渋を知る「者」の匂いが、立ち昇る。
それは、石ころも星になれると、その混沌の向こうに光があるのだと、背中で道なき道を示し、勇気を、希望を、力をくれる。かつて石ころだった星の、矢の如き、魂の叫び。
それは、石ころ達の内なる天幕を穿ち、風穴を開ける。そこから漏れる一筋の光。
明けの明星。
それは、四辺が黒く染まった盤上の一角に、
久遠の未来にまで、燦然と輝く極星となる。
それは全ての石ころ達に捧ぐ、命の道標。
その暁光はロマンであり、その物語は永遠である。
そんな散文のような、
夢物語を書き綴る為ではなく、
生きて示し遺す為に、
捧げた野辺の石ころの命が一つ、
人知れず、在ったとしたら。
面白くないか。
見たことのない「美学」を、
見る覚悟は在るか。
見えるものしか見えなくなりつつある世界に、
純潔のロマンを。
夜が明ける。
世が明ける。